2021年2月9日10日の2日間、東京国際フォーラムにて開催された、町工場見本市が無事終了しました。このような状況の中、当社のブースにも沢山の方がお越しくださいました。厚く御礼申し上げます。

異業種の方とお話をする中で、SDGs(持続可能な開発目標)の話になり、私の携わる印刷加工業界のSDGsについても考えるきっかけをいただきました。
SDGsとは、外務省のHPによると、2016年〜2030年までの15年間で世界が達成すべきゴールを表したもので、17の目標と169のターゲットで構成されているとのこと。
その中でも、目標8の「働きがいも経済成長も~包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する」は、我々の業界において大きな課題であると考えます。
私の携わる印刷加工業は、特にプラスチックの製品に、インクという化学薬品を使って印刷加工します。印刷加工業・塗装加工業などが化学薬品を使うには、労働安全衛生法に基づく、「有機溶剤作業主任者」の資格が必要です。資格無しで仕事をする場合には、労働基準監督所に書類を提出して許可を得なければなりません。
また、化学薬品を使用する仕事場で労働者を使用する場合は、労働者の安全衛生を守る為に、年に二回、一般健康診断とは別に「有機溶剤成分事の有機溶剤健康診断」と「有機溶剤作業所の職場の空気の環境測定検査」をして、結果を労働基準監督所に提出する義務があります。
有機溶剤の中には、とても危険性のある化学薬品も有ります。大阪では、かつて有機溶剤が原因の胆管癌による死亡事故が多数起きています。
昔からの町工場レベルの印刷加工業者は、この法律の存在を知らずに仕事をしているケースも多いのが現実です。余談ですが、私の父も腎臓を患い、18年間人工透析の末、15年前に他界しました。((有)小堀加工所は、父の代から創業53年)今となってみると、有機溶剤が原因だったのかも知れません。
労働者の安全衛生を守ることは、経営者にとって最低限の義務です。
しかしながら、小規模で自転車操業を余儀なくされている印刷加工業者にとっては、従業員の安全面に関する法律を調べる術も、金銭的、気持ち的にも余裕がないのが現状ではないでしょうか。
『印刷加工業者は法律を知らない、労働者の安全衛生に掛かる必要経費も無い、だから印刷加工代は安くて当然』そのような、仕事を受ける側、出す側双方の悪しき慣習・考えが、50年前と全く変わらない悪い現状を生んでいるのです。
お陰様で、このコロナ禍、はっきり言ってヒマです。ですが、この時間を使って従業員を雇用し続けるための策を講じることができました。従業員が快適に仕事ができる環境づくりや、自ら営業に出かけたり、人と会ったり、調べたり。現状に嘆いたり、手をこまねいたりしている暇はありません。やがて来るアフターコロナに向けて、着々と準備をしつつ営業しています。
SDGs目標8「働きがいも経済成長も~包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する」
このグローバルな取り組みに、私の小さな町工場も目標の達成に向けてさらに努力続けます。
葛飾区の小さな印刷加工所の小堀加工所を、宜しくお願い致します。
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